「英検の単語帳はパス単と文単どっちがいいの?」
「それぞれの特徴とおすすめを知りたい」
両方つかってみた私があなたへのおすすめをズバリお伝えします。

こんにちは、英語学習サポーターのしゃいにーです。現在、英検1級の取得に向けて勉強しています。
英検の単語帳と言えば、旺文社のパス単と文単が有名ですね。
この2冊のうちどちらかを使う人が多いと思います。
でも、なかにはどちらを使えばいいか分からない人もいるのではないでしょうか。
この記事では、パス単と文単のどちらも使ってみたわたしが、「結局どっちがおすすめなの?」というあなたの疑問にお答えします。
結論から言うと、どちらを使うべきかはあなたの受験する級によって異なります。
2級以下の受験ならパス単がおすすめですし、1級または準1級を受験するなら文単がおすすめです。
これから詳しく説明していきますね。
contents
英検対策の定番「パス単」と「文単」それぞれの特徴

まずは、パス単と文単それぞれの特徴についてカンタンに説明します。
語彙数などは各級によって異なりますが、大体比率としては似たようなものなので、わたしが持っている1級の単語帳で紹介します。
パス単の特徴
左ページに英単語と日本語訳、右ページに例文が載っている、一見ごく普通の単語帳です。

違うのは、単語のならびかた。
パス単の英単語は、「でる順パス単」という名前の通り、英検に出現する可能性の高い順に並んでいます。


でる度A,B,Cの3つに分かれていて、出題される可能性の高い単語から重点的に学べるようになっているのが特徴です。
収録語数は2400
単語2100と熟語300を赤シートで学べます。
無料音声ダウンロード付き。

最初のほうに「教えて!みんなの単語学習法」というコーナーがあります。
ここには、実際にパス単を利用して単語を学び、英検に合格した先輩がたの体験談が書かれていています。
社会人であったり学生であったり、タイプの違う学習3人を取り上げており、合格するまでの受験回数や対策期間、覚えられない単語への対策法なども教えてくれているので、かなりリアルで参考になりますよ。

ちょっとモチベーションが下がってるなーと感じたときに、このページを読むとやる気が復活するのでオススメです。
文単の特徴
続いて文単ですが、こちらは「文で覚える単熟語」という名前の通り、長文を読みながら出てきた単語をリストで復習できる形になっている単語帳です。
Z会の「速読英単語」と似た作りになっていて、見開きの左側に長文、左側に日本語訳が載っています。
また、それぞれに重要単語に当たる部分は赤シートで隠せるようになっています。

長文ページをめくると、重要単語のリストです。
例文はありませんが、似たような意味をもつ単語やフレーズなどが多く載っていて情報量が多いです。
また、見出し語がグレーになっているものは本文中には出現していないけれど、関連語として重要な単語として同じページにおさめられています。

収録語数は1630とパス単に比べると少な目ですが、さきほどもお伝えしたように類語が多く掲載されているので、こちらも含めるとパス単と比べても遜色ないくらいには網羅されていると思います。
英検1級・準1級を受けるなら「文単」がおすすめ
それぞれの特徴を踏まえたうえで、もしあなたが英検1級または準1級を受験予定であれば、文単をおすすめします。
理由は2つあります。
- 一問一答形式で覚えるには日本語訳が難解すぎる
- リスニング、長文読解、英作文の対策にもなる
順に説明していきますね。
一問一答形式で覚えるには日本語訳が難解すぎる
英検1級・準1級レベルの単語ともなると、日本語訳を読んでも普段あまり使うことのない馴染みのない言葉が多く、イメージに残りにくいんですよね。
なので、パス単を使うとなるとけっこう苦労します。
短い例文はついていますが、これだけでニュアンスまで理解するのはちょっと難しいです。
わたしは、海外ドラマの視聴を並行してやることでこの問題をクリアしましたが、正直時間もかかるし、短期間で単語を覚えたい人にはおすすめできません。

1級・準1級レベルの単語は長文のなかでニュアンスごと覚えていくのが効果的!
繰り返し出てくるので理解しやすい
文単のいいところは、新出単語として扱った単語が、別の長文にもたびたび出てくるところです。
もちろん、掲載されている単語すべてが複数回でてくるわけではありませんが、ただ読み進めるだけで復習になるので理解も深まるし、定着もしやすいのは確か。
例文ひとつではイマイチよくわからなかった単語も、繰り返し、しかも別の文脈で出てくればさすがに理解できるようになります。
リスニング、長文、英作文対策も兼ねられる
文単の特徴の部分でもお話しましたが、文単はやりこめばそれがそのまま長文対策とリスニング対策になるのもかなりのおすすめポイントです。
わたしが実際に行っている方法ですが、文単は長文をどんどん読んでいく多読的な使い方ができます。
しかも、トピックは英検に実際に出題された過去問と、出題されやすいテーマを扱ったオリジナルもの。
ひと通り単語を学習したら、あとは読めば読むほど語彙強化+英検の長文も読めるようになるというわけです。

内容もけっこうおもしろいですよ。
文量的にも5分あればサクッと読めるので、スキマ時間の勉強にもぴったりです。
CDはなんと3枚ついています。
パソコンを使って持ち歩きできる音楽プレーヤーに入れると、スキマ時間やながら勉強にも使えますね。
英検のリスニング対策にもぴったりです。
パス単も音声ダウンロードはついていますが、ついている例文が短いものばかりなので、リスニングの対策としてはちょっと微妙です。
文単なら長文なので、しっかり対策になります。

また、わたしは音読をよくやっているので、長文の音声はかなり便利だと感じています。
読んでいて人物名とか固有名詞とか、読み方がわからないとイライラしません?
せっかく気持ちよく、ときには感情をこめてネイティブになりきったつもりで朗読をしているのに、途中で読み方がわからない単語が出てくるとかなり萎えます。
なのでCD付きは個人的にめちゃくちゃありがたいです。
英検1級・準1級は英作文の対策も欠かせません。
でも、英作文って、語彙力と文法力があるだけでは書けないんですよ。
わたしは英作文は得意だという自負があったのですが、実際に解いてみて愕然としました。

背景知識がなさすぎて、自分の意見というものがなかったからです。
たとえば、「遺伝子組み換え作物について賛成か反対か」みたいなトピックで出題されても「遺伝子組み換え食物」の特徴などがよくわかっていないと賛成も反対もできないですよね。
そういった背景知識を身につけるのに文単が役に立ちます。
歴史・文化社会・経済科学・技術環境・食糧医学・心理
こういった幅広い分野の知識をこの1冊である程度は網羅できると考えたら、かなりコスパがいいと思います。
ちなみにわたしは英作文対策としてDMM英会話のデイリーニュースも使いました。
ここまで文単をごり押ししておいてなんですが、収録語彙数の少なさはやっぱり気になりますよね。
1級・準1級レベルになるとそれまでと比べて試験に出てくる単語の数が倍の勢いで増えます。

なので、文単のみではちょっと心もとないかも。
余裕のある人はパス単も追加でやることをおすすめします。
パス単の単語は、文単の長文に出てることが結構あるので、パス単で意味を確認しつつ、文単の長文を読んで定着させるという使い方がおすすめです。
どちらかしかやる時間がない場合には(だからこの記事を読んでるだよ!って人ですね)文単を徹底的にやりましょう。
単語のページには類語や対義語も合わせて小さく載っているので、このあたりまでしっかりと目を通せばかなり語彙力がつくはずです。
英検2級以下は「パス単」がおすすめ
英検2級以下を受験予定のあなたにはパス単がおすすめです。
理由は3つあります。
- 英検2級までは基礎単語ばかりなので長文だと効率が落ちる
- 文法などの基礎がしっかりしてないので読むのに時間がかかる
- 長文に読みなれていないので負荷が大きい
順に説明していきますね。
英検2級までは基礎単語ばかりなので長文だと効率が落ちる
英検2級までの単語は、日本語訳を見てもスッと理解できるものカンタンなものが多いです。
1級・準1級に出てくるような難解な単語はまずありません。
こういったものは、日本語訳と対にして一問一答形式でサクサク覚えていくのが効率的と言えます。
ぶっちゃけた話、このレベルの単語であればパス単本体を買うよりも、アプリを購入する方がコスパがいいかもしれません。
まあ、あまり目にはやさしくないので長時間やると疲れますが・・・
文法などの基礎がしっかりしていないので読むのに時間がかかる
英検2級までは単語のみならず文法や構文の知識もまだ基礎レベルです。
この時点でしっかり定着しているという人は少ないと思います。
なので、文で覚えようとすると、まず長文を読むのに文法や構文の知識が足りず苦労することになるでしょう。
人間、あまり負荷がかかりすぎると嫌になるのでこのレベルの受験者は文法は文法、単語は単語できっちり分けて勉強するのがおすすめです。
長文に読みなれていないので負荷が大きい
繰り返しになりますが、英検2級までの受験者は基礎がまだ固まっていません。
当然、長文を読む体力もまだないです。
日ごろから多読を取り入れていて、英文を読むのが好きだという人は別かもしれませんが・・・

そういう人は語彙もいっしょに身についてるはずなので、英検のために単語帳を買わないと思ってます(笑)
日ごろから長文を読む習慣のない人は、長文を読みながら単語を覚えていくスタイルだと時間がかかってしょうがないので、やめたほうが無難です。
パス単でサクサク覚えていくのが効率的です。
まとめ:基礎単語は「パス単」でサクッと、難単語は「文単」でニュアンスごと覚える
ということで、パス単と文単は受験する級によってメインの教材を変えるのがおすすめです。
とはいえ、英検2級まではパス単1冊で十分足りると思います。
1級と準1級に関しては出題される語彙数が桁違いに多いので、文単を一通りやってからパス単もやるか、文単でメインの見出し語を覚えた後、赤シート対応になっていない類語や対義語までを徹底的におぼえていく必要があるでしょう。
以下にカンタンにまとめておきます。
2級以下 → パス単のみでOK
1級・準1級 → 文単メインに余力があればパス単も(アプリ推奨)
パス単も文単もそれぞれにすばらしい単語帳です。
受験級によって使う単語帳を使い分け、効率よく勉強していきましょう。

わたしも英検1級の取得に向けて文単をがんばります。
